INTERVIEW

インタビュー

お菓子づくりが楽しい。 みんなでその原点を、 大事にしていく。

hannocパティシエ

みんなの技術の向上と頑張りがこんな風にちゃんと誰かに届くのだと、心が震えました。

僕はhannocに来るまでの20 代を通して、レストラン・個人店・ホテルと、さまざまな形態でパティシエを経験してきました。ですが、どの職場においても「人を笑顔にする仕事をしているのに、なんでこんなに自分たちが苦しんでいるんだろう」ともどかしさを感じる場面がありました。

悩んでいた頃 hannoc の存在を知り、シェフからのトップダウンではなく、チームで考えてお店を運営していくというスタイルに驚きを覚えました。そして、いざ自分がhannocで働き始めてから、 それまで、自分に主体的な発言が求められることが無かったため、戸惑いもありました。

転機になったのは、技術指導の責任者を任されたことです。僕は今 32 才で、若いパティシエが集まる hannoc の中では年長。責任者としての責務を果たすために、他のメンバーよりもパティシエ経験が長い自分がこれまで培ってきたものを周りのメンバーのためにどう役立てるのかを考えるようになりました。

責任者制度をとおして生まれたもの

失敗をしないためにどうすればよいのか、たとえ失敗しても、次に活かせるようにみんなで考える。それを日々重ねていくことで、「お菓子づくりが楽しい!」という自分自身の原点をも追求できるようになってきたと感じます。

そして僕自身も技術指導の責任者になったことで、メンバーたちの小さな成長や、今、興味のあることをくみ取れるようになりたいと思うようになりました。周りのメンバーの変化や気持ちに気付いて、そのことに自分自身も関わって、一緒に前に進んでいきたい。もともと人に対して能動的にコミュニケーションを取ることが得意ではなく手元の作業に没頭していた自分が、責任者になってから、メンバーと多くの意見を交わし、議論する回数や時間が増えました。

先日、ある定番のケーキを、お客さんが「クオリティが上がったね」と褒めてくださいました。みんなの技術の向上と頑張りがこんな風にちゃんと誰かに届くのだと、心が震えました。